長年連れ添った妻を亡くし一人になって、初めて生活能力は皆無であるのに気づいた。自分で料理を作ったこともなかった。伴侶を失くした独居高齢の男性は「あっという間に、鬱になるか呆ける」というのはよく知られている。最近は、いかにして、日常生活を送るための家事能力を獲得するかが大きな挑戦である。
老いの日々に感じたことがらに川柳を添えた。
1. 孤独: 非常勤での仕事がない日は孤独で、終日誰とも話をしない日も少なくない。
「後妻業 だましに来てよ この孤独」
2. 子供: 子供は東京 横浜 京都と遠くに住み、それぞれ仕事や家庭サービスに忙しく、親のことを考えるゆとりのないのが現実である。
「久しぶり 娘のメイル 生きている?」
3. 病気:80歳を超えると、物忘れをはじめとして様々な心身の不調がおきる。
「増えるシミ 脳にもボケの 老人班」
4. 孤独死:新聞に、昨年の高齢者の孤独死は6万人を超え、一週間以内に発見されなかった孤独死者は2万人、88%は男性であったとの記事が目についた。
「最先端 誰にも知られず 死んでゆく」
5. 太極拳と詩吟:転倒防止には太極拳、誤嚥の防止には詩吟が良いという話しを聞いて太極拳と詩吟を習い始めた。
「習い事 特別支援学生 いつまでも」
生きていることの有難さに感謝しつつ、残りの日々を大切に過ごしてゆきたい。